訪問美容の普及によって「休眠美容師」がいなくなる日も?

長年、美容師業界ではある大きな問題を抱えていました。
それは、美容師の資格や技術を持ちながら美容業界に従事していない、いわゆる「休眠美容師」と呼ばれる存在です。

2013年の理容師美容師試験研修センターの資料によると、全国でこの休眠美容師がおよそ75万人もいるとされています。

一般的に美容師のお仕事は「薄給」「拘束時間が長い」「休みが取れない」といったネガティブイメージが強く、実際に美容師のお仕事を辞めてしまう方も毎年大勢います。

そんな逆風が吹き荒れる中、注目されているのが「訪問美容」というサービスです。

美容師

訪問美容は美容師業界の「働き方改革」

前述の通り、美容師のお仕事はワークライフバランスのとりづらさが業界全体の風潮として根付いており、特に結婚・出産を機に休職する女性は、家事や育児を考慮し美容業界に復帰することが少ないそうです。

もちろん女性に限らず、自由な時間がとれないという環境は多くの労働者にとって大きなネックであり、ますます業界の求人難を加速させてしまいます。

その中で、休眠美容師の復帰先として、あるいは新たな美容師の就労先として注目されているのが訪問美容です。

訪問美容のサービスは、事業所によって違いはあるもののフルタイム・固定スケジュールではなくシフトに融通を利かせて働けることが大きなメリットと考えられています。

また、高齢化が進む社会の中で「必要とされている」「社会に貢献している」というやりがい、モチベーションも訪問美容の魅力の一つでしょう。

もちろんメリットばかりではなく「自己管理の難しさ」や「体が不自由な方が相手というプレッシャー」など訪問美容ならではの厳しさもありますが、いずれにせよ衰退の一途を辿りかけていた美容師業界に新しい風を吹き込み、休眠美容師や美容師候補の方に可能性を照らしていることは間違いないでしょう。